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コンセプト

髪は女の命。とはよく聞く言葉で、
私にとってそれは事実、女性としての自分の誇りを唯一、髪の毛に託している。
幼い頃からずっと特別な存在で、それ故にこの誇りを捨てた時もあった。
だからこそ私にとってこの髪があるということの意義を強く感じている。

髪を櫛で梳かす。
心を整える。
髪の乱れは心の乱れ。
心乱れたら、乱れたままにせず、
乱れた心を梳かして無心になる。
梳かす行為は心を整理し、
梳かされ綺麗に整った髪を身にまとうことで心を落ち着かせる。
精神の統一。

この作品の形状は不器用ながらに懸命に生きるモノの自律神経のうねりを表現したもの。
交感神経と副交感神経を合わせて自律神経という。
本来の周期は12時間周期で一定なはずなのに、生きている中で上がったり下がったり、
それでも、このふたつの対照的な神経のバランスをとることが難しくも、生き抜く上ではとても重要なこと。

走れば乱れる。
走る時は何振り構わず乱れたっていい。
乱れた後、冷静になれるか。
整える術をもっているか。
おまじないのようなものでも構わない。
例えそれ自体に効果がなくても、それがその人にとって良い儀式であれば良い。
その行為がもつれた心をほどき、邪を払い、本質を見出す。
すると自然と良い方へ導かれ、また堂々と歩める。

心にけじめをつける。
髪に宿る姿勢を定期的に真っ白な櫛でしっかりまっすぐ正す。

髪を梳かすことは、女の性を持ちながら私として生きる為のルーティーン。

素材:櫛(プラスチック)/ゴムつき針金
サイズ:60×50×30(cm)
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