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コンセプト
人間
社会的なありかた、関係性、人格を中心にとらえた「ヒト」あるいは「人」のことである。
また、その存在のありかた全体を指すこともある。(Wikipediaより)
人間というのはヒトの世。私たちが生きるこの社会のことです。
人の間
私は人造バランを社会的なありかたのところの人間の象徴としてこの作品で表現した。
人は社会の中を生きてゆく為にその場その場で自分に合った間を取る。
日本は狭くて人口の多い国。日本文化は特に間の使い方、取り方に特徴があると考えられる。(ふすまやのれんなど)
社会の中ではTPOを考慮して神経質にならなければならないことも多い。
その中でこの間というのは決して窮屈そうに思えて実はとても心地よいものだ。
なぜならこの間がなければ自分も野ざらしのままいきていかなければならないし、
逆に動きづらく、とても生きづらいものだろう。
社会の中の自分のポジションの確立。そして、その確立は仮住まいであること。
人はそれぞれの人にあった間を探し構築し、自分の巣とする。
それは成長する中でまた別の巣を求めなければならないこともあるが、
それは成長のあかしであり、それこそが門出という喜ばしいことだろう。
バランとは、その箱の中で共存しなければならない他のものと一線を引き、自分の場所ができるふすまの様なものであり、
それがあることによって個性(そのものが持つ味)を保つことができるもの。
何かの目的を成し遂げようとしているときはどうしようもなく
自分の殻に閉じこもって自己と見つめ続けたい。ストイックに。ただ、ひたすらに。。。
孤高であろうとする。
しかし、人間でいなければ自分の目指すところへは行けない。
社会の中にその夢の世界が存在するから。
そして環境はそこに自己の居場所を築く中で、何度も何度も環境に応じて変化させなければならない。
私自身も今ここにいて、これからまた更に変化して行くことは間違いなく、
特に今めまぐるしく環境が変化している。
その中で自己の中の大切な部分を貫き進むことが重要となる。
しかし自己の中で生み出すものを外に発することで成り立っている。
人間としての社会との関係のバランスはとても難しく、
安定するかと思えばまた変化して一から築くことを繰り返す。
自己を確立するというのは
社会を遮断して、一歩も出ないのでは何も成さない。
しっかり自分のテリトリーを持ちながら社会に順応して動きたいように動くことが可能な状態がベストである。
目指す先が社会の中にあるということ
自分の今いる世界(現状)に篭っていても道は開かない。
その場その場で自分の間を保ちながら動いて生きて行かなければ前に進めない。目的地にたどり着けない。
何か外に出れば出るほどに自分の行けなかったところ、思いもよらないところ、手の届かなかったところへ導いてくれるのは、
いつも、人の間の中に行った時の、人の間の中の人たちでした。
現に私がこうして今個展をしたり作品を発表できているのは、明らかに周りの方々のお陰様でしかないのです。
自己を作るのはもちろん自身。
しかし、自分だけでは作り続けることはできない。
どういうものに、どこに、どういう風に…。
それでもちゃんと今いる現状をしっかり築いていなければ、浮遊するだけで何も成せない。
でも、築いたものに固執して、その場から動かず、鉄壁を築いても、
よほどのモノでない限り誰の目にも触れることはなく、それはただの孤立であり、何も成せない。
成すべき事のために孤高でなければならない。しかしそうでありながら、人の間を練り歩くことが難しくも現実にある。
素材:人造バラン(ポリエチレン) /鉄/針金/糸/ペンキ/接着剤 |
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